Eスポーツとは?
Eスポーツ(Esports)とは、電子機器を用いて行う娯楽や競技、スポーツ全般を指す言葉であり「エレクトロニック・スポーツ」の略称です。
コンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦を「スポーツ競技」として捉える際の名称を「Eスポーツ」と呼びます。
Eスポーツの用語は、2000年の「KeSPA(Koria e-Sports Association)」設立の際に、韓国の文化体育観光部長官が造語したものです。
世界各地でEスポーツは高い人気を誇っており、プロゲーマーによる「eスポーツ大会」が日本や世界のあらゆるところで開催されています。
Eスポーツの歴史
Eスポーツは、マルチプレイヤーコンピューターゲームの競技大会として開催されており、2000年頃から「eスポーツ」の言葉が使われています。
2000年に開催されたWCGC(World Cyber Games Challenge))や2003年フランス開催のESWC(Electronic Sports World Cup)など、さまざまな地域で国際大会が開催されてきました。
日本でも2011年にeスポーツJAPAN CUPが開催されています。
世界的にEスポーツが認知され始めたこともあり、日本では2015年4月に「一般社団法人 日本eスポーツ協会(JeSPA)」の設立、2015年10月に「一般社団法人 e-sports促進機構」の設立、2016年3月に「一般社団法人 日本プロeスポーツ連盟」の設立が行われています。
その後、2018年2月に上記3団体が統合された「一般社団法人 日本eスポーツ連合(JeSU)」が発足し、日本におけるEスポーツの普及や発展を目的に、さまざまな取り組みが進められています。
現在では、JeSU公認のプロライセンスを取得したプレイヤーがさまざまなゲームタイトルで活躍しています。
加熱するEスポーツ人気と世界大会
世界各国でEスポーツが盛んになり、プロゲーマーやプロのEスポーツ選手が続々と誕生しています。
インターネットの普及により、世界中のプレイヤーと気軽に対戦できることや動画投稿サイトで気軽にプロのプレイを視聴できるなどの理由からEスポーツ人気は高まり続けています。
日本では定着していなかったEスポーツ選手ですが、YoutubeやTwitchなどのライブ配信ができるサイトを活用することで選手とファンの距離をいっきに縮めることに成功しました。
さらに、2024年にはGamers8の後継大会としてサウジアラビアのリヤドで「Esports World Cup」が開催されました。
Gamers8と同様にサウジアラビアが国としてバックアップしていることや大会の賞金総額が「6000万ドル以上(約94億円以上)」と超高額賞金が獲得できることでも注目を集めました。
日本のチーム・選手が高額賞金を手にしたことが大きなニュースとなりました。
2024 Esports World Cup 日本代表の主な成績
- Overwatch2部門 Crazy Raccoon優勝
- PUBG MOBILE部門 REJECT準優勝/ReijiOcO選手大会MVP獲得
- ストリートファイター6部門 カワノ選手準優勝
Esports World CupやEvolution Championship Series(EVO)など、複数のゲームタイトルを取り扱った大会以外にも、世界一のプレイヤーとチームを決めるストリートファイター6の「CAPCOM CUP X」も大きな話題を集めました。
CAPCOM CUP Xの個人戦の優勝賞金は100万ドル(約1億5,000万円)。
1つのゲームタイトルで得られる賞金としては過去最大級なり、世界中の獲得ゲーマーが予選大会に参加する。
CAPCOM CUP X個人戦を優勝した選手の使用キャラクターは「100万ドルのジュリちゃん」とユニークな愛称も生まれました。
CAPCOM CUP Xの表彰式では、次回CAPCOM CUP XIの個人戦優勝賞金が100万ドルのまま、会場がラスベガスから日本の両国国技館に移されることが発表され、EWC・EVO・CCは回数を重ねるごとにEスポーツの注目度を高めています。
国内でもEスポーツの人気や注目度が急上昇
世界と比較するとEスポーツやEスポーツ選手の人気・知名度が低かった日本ですが、近年はEスポーツに対する関心も急上昇中です。
Eスポーツを代表するゲームタイトルの多くが、Youtubeチャンネルでの動画投稿やライブ配信活動を行うストリーマーと相性が良いです。
人気ストリーマーが数多く参加したイベント「CRカップ」「VCR」「VTuber最協決定戦」は、今までEスポーツやゲームに興味のなかった新規層を取り込むことに成功しました。
ストリーマーがプロからコーチングを受けることが一般的になったことで、各ジャンルのプロゲーマーの認知度の向上にも効果があったと言われています。
jesu公認ライセンスを取得しているプロプレイヤーが活躍するストリートファイターリーグの注目度は過去と比べ物にならず、ライブ配信をリアルタイムで視聴している方の人数(同接)が10万人を超えることも珍しくなくなりました。
Eスポーツの市場規模
Eスポーツの世界市場規模は2022年時点で「14.5億ドル(約2,000億円)」を超えており、2030年には「67.5億ドル(約9,500億円)」を超えると予想されています。
Eスポーツの市場規模は年々拡大しており、年間20%以上の規模で成長することが予測されている状況です。
Eスポーツの観戦者数も増加傾向が続いており、2020年時点で「約4億3,500万人」であった視聴者数が、2022年には「約5億3,200万人」まで増加し、2025年には「6億4,000万人」に到達すると予測されています。
Eスポーツの種目8つ
- FPS
- TPS
- MOBA
- RTS
- スポーツ/レースゲーム
- 格闘ゲーム
- DCG
- パズルゲーム
ゲームにはさまざまなジャンルが存在します。
ここでは、上記8種類のEスポーツ種目を詳しく紹介します。
種目1. FPS
FPS(First Person Shooter)は、一人称視点のシューティングゲームです。
画面上にキャラクターの腕や武器が表示された状態でプレイするゲームで、バトルロイヤル形式や陣取り形式でゲームが進行します。
人気競技タイトル
- エーペックスレジェンズ(Apex Legends)
- コールオブディーティー(Cod/Call of Duty)
- オーバーウォッチ2(Overwatch2)
- ヴァロラント(VALORANT)
- レインボーシックスシージ(Tom Clancy`s Rainbow Six Siege)
種目2. TPS
TPS(Third Person Shooter)は、三人称視点のシューティングゲームです。
画面上にキャラクターの身体や背景が表示された状態でプレイするゲームで、FPS同様にバトルロイヤル形式や陣取り形式のゲームが多いです。
人気競技タイトル
- フォートナイト(FORTNITE)
- プレイヤーアンノウンズバトルグラウンズ
(PUBG/PLAYERUNKNOWN'SBATTLEGROUNDS)
- スプラトゥーン3
- 荒野行動
種目3. MOBA
MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)は、4〜5人のプレイヤーでチームを組んで敵チームの本陣破壊を狙うストラテジーゲームです。
高度な戦略やチームワークが求められるゲームで、世界で最も盛り上がるEスポーツのゲーム種目として大人気です。
人気競技タイトル
- リーグ・オブ・レジェンド(LoL/League of Legends)
- ドータ2(Dota2)
種目4. RTS
RTS(Real Time Strategy)は、集団や軍隊の指揮官となり、相手の拠点撃破を狙うストラテジーゲームです。
MOBAとゲーム性は似ていますが、1対1のプレイヤー同士で対戦するゲームが多く、歴史やファンタジーをモチーフにした舞台設定が多いのが特徴的です。
人気競技タイトル
- クラッシュロイヤル
- スタークラフト2(StarCraftII)
種目5. スポーツ/レースゲーム
スポーツ/レースゲームは、スポーツプレイヤーやレーサーを操作してスポーツの試合やレースをプレイするゲームです。
ひとりで複数の選手を操作するゲームが多く、実際のスポーツで活躍したプロ選手が採用されています。
人気競技タイトル
- FIFAシリーズ
- ウイニングイレブン
- 実況パワフルプロ野球
種目6. 格闘ゲーム
格闘ゲームは、ひとりでひとりのキャラクターを操作して対戦するゲームです。
キャラクターごとに異なる攻撃や特殊技を繰り出しながら対戦し、相手キャラクターの体力をゼロにすることで勝利します。
人気競技タイトル
- ストリートファイター6(STREET FIGHTER 6)
- 鉄拳8
- 大乱闘スマッシュブラザーズ
種目7. DCG
DOGは、ひとりで気軽にプレイできるデジタルカードゲームです。
戦略性や分析力などが求められるゲームで、オンライン対戦が充実しています。
人気競技タイトル
- Shadowverse
- HearthStone
- 遊戯王デュエルリンクス
種目8. パズルゲーム
パズルゲームは、画面上部から落ちてくるパズルを消していき、相手プレイヤーよりも長く生き残った方が勝利するゲームです。
ブロックの消し方や戦略、操作技術が必要なゲーム性で、素早い処理能力情報が求められます。
人気競技タイトル
- ぷよぷよ
- テトリス
Eスポーツの魅力3つ
- 誰でも楽しめる
- 世界各地から参加や観戦ができる
- さまざまな種類の大会やイベントがある
ここからは、上記3つの魅力を詳しく紹介します。
魅力1. 誰でも楽しめる
Eスポーツは誰でも平等に楽しめる魅力があります。
eスポーツはゲーム内で競い合う競技のため、性別や身体能力による差が生まれづらく、誰でも公平に楽しめます。
老若男女問わず挑戦することができ、障がいのある方も積極的に参加しているスポーツです。
本気でプロゲーマーを目指す高校生などの若い世代が増えたことから、東京都や大阪府などの都市部ではプロのEスポーツ選手を目指す専門学校も増えています。
高校・大学からゲームのプロを目指す専門学校への進学も一般的になりました。
専門学校では、Eスポーツ業界で実際に活躍するプロや業界関係者を講師陣として雇用しています。
実際に講師から指導を受けた生徒からの評判もよく、全国から入学志願者が増えているようです。
魅力2. 世界各地から参加や観戦ができる
Eスポーツは世界各地から参加や観戦ができます。
eスポーツはパソコンやタブレット、スマホ、ゲーム機など、ゲームがプレイできる環境さえあれば場所を問わず参加や観戦が可能です。
近年は、Eスポーツイベントの模様をYouTube配信することで、スマートフォンひとつでどこからでも観戦ができる環境が整備されています。
魅力3. さまざまな種類の大会やイベントがある
Eスポーツはさまざまな種類の大会やイベントが開催されています。
友人たちと気軽に楽しむイベントや芸能人やインフルエンサーを起用したエンターテイメント性の高いイベント、プロゲーマーが出場する競技的な大会などなど、さまざまなイベントや大会が盛りだくさんです。
採用されるゲームタイトルにより趣旨や参加者層が異なるため、eスポーツひとつでさまざまなジャンルを楽しめます。
Eスポーツはブックメーカーの対象?
Eスポーツはブックメーカーの対象です。
日本国内で遊べるブックメーカーは多くのサイトが存在し、ほとんどのブックメーカーサイトがeスポーツを導入しています。
Eスポーツのブックメーカーの賭け方は、対戦するふたつのチームやプレイヤーのどちらが勝利するかを予想してベットする方法が基本スタイルです。
スポーツの試合に賭けるときと同じ感覚でeスポーツへのベットを楽しめ、予想が的中することで配当金を獲得できます。
Eスポーツがオリンピック種目になる可能性は?
Eスポーツは、将来的にオリンピック種目になる可能性を秘めています。
実際に、IOC(国際オリンピック委員会)が「eスポーツ国際イベント」を新設しており、オリンピック種目採用を視野に入れた取り組みが進行中です。
ただし、eスポーツのなかでも特に人気の高い種目「FPS」は、銃で敵を打ったり、人を殴ったりなどの暴力的な表現が目立つため、平和の祭典であるオリンピックにふさわしくない懸念があります。
eスポーツは若年層に人気の高いスポーツであるため、eスポーツをオリンピック種目に採用することで、若者のオリンピック関心度の向上や新たなスポンサーの獲得が期待されています。
日本のEスポーツの市場規模
日本のEスポーツの市場規模は上昇傾向が続いています。
2022年のeスポーツ市場規模は125億円を超えており、2025年には200億円超えが予測されている状況です。
日本のEスポーツの市場規模は毎年右肩上がりが続いており、今後も上昇傾向が続くことが予想されています。
さらに、日本国内のeスポーツファンも年々上昇しており、2022年は約775万人、2025年には1,000万人超えが予測されている状況です。
世界のeスポーツの市場規模やファン数には敵いませんが、確実に日本のeスポーツ市場も拡大しています。
よくある質問
Eスポーツとは、電子機器を用いて行う娯楽や競技、スポーツ全般を指す言葉であり「エレクトロニック・スポーツ」の略称です。
Eスポーツは、マルチプレイヤーコンピューターゲームの競技大会として開催されており、2000年頃から「eスポーツ」の言葉が使われています。
Eスポーツの世界市場規模は2022年時点で「14.5億ドル(約2,000億円)」を超えており、日本市場規模は2022年時点で「125億円」を超えています。
Eスポーツの種目は、FPSやTPS、MOBA、RTS、スポーツ/レースゲーム、格闘ゲーム、DCG、パズルゲームなどです。
Eスポーツはブックメーカー対象です。
日本で遊べるブックメーカーサイトのほとんどで導入されています。